| なぜ、小型分析装置が必要なのか! 

 

| 重金属による健康被害と残留農薬による死亡事故

重金属が引き起こす健康被害について軽くお考えではありませんか?重金属の過剰摂取が引き起こす健康被害は高度成長期における公害に代表されます。水銀やカドニウム(Cd)は脳の細胞が破壊されることによって引き起こされます。また、鉛(Pb)は中枢神経に対して有毒性を及ぼします。鉛(Pb)の多く含まれた飲料水や食品を摂取しすぎると認知能力や情緒障害を引き起こします。厄介なのは幼少時に鉛に汚染され、その後体内から浄化されたとしても、情緒障害は残り、凶暴な犯罪を起こしてしまう原因になりかねません。(ランドルフ・バイヤーらによる研究, 1943)

 

 

水銀やカドニウムは公害病の原因とされて以来、国や地方公共団体によって、厳しく規制されていますが、鉛については、放置されているのが現状です。

 

 

農薬は神経毒です。特に、害虫と呼ばれる昆虫を排除するために使用される農薬は少なからずヒトの神経も破壊します。2013年にインドで23人の児童が給食に出されたレタスに残っていた残留農薬によって命を落としてしまった重大事件が発生しました。残留農薬として発見されたのは「モノクロトホス」と呼ばれる農薬で、この農薬はヒトの神経伝達物質に作用し、全身痙攣を引きこします。

 

 

食品、特に農作物の摂取前に残留農薬を手軽に測定できることでこのような事故は未然に防げるはずです。

 

 

 

 

 

| 人口増加と食料危機そして農薬

世界の人口は2050年に100億人に達し、人口増加に伴う食料の確保のために農薬の使用はこれから増大することになるでしょう。

 

化石燃料の急速な消費や工業化によって、環境汚染が深刻な問題になると予想されます。

 

 


| 健康とは?


 

| 歯の健康から全身の健康へ

 

 


| テクノロジー (Technology) 
 | 我々の開発するテクノロジー

 | マイクロチップテクノロジー


目的サンプルのサンプリングのためにマイクロチップを利用します。マイクロチップとはプラスチックやガラスの手のひらサイズの板の上に溝や穴、ナノスケールの官能基を固定化することで特殊な機能を持たせた試験片です。我々はナノテクノロジーとバイオテクノロジーを融合し、大学の研究室や公共の研究所で行なわれる複雑なサンプルの前処理の過程及び分析を使い捨てのプラスチック片で可能としてきました。このような機能を持たせたプラスチック片はLab on Chip(プラスチックの上の研究室)と呼ばれることもあります。


参考文献 (Reference)

1. Zhenqing Li, Ruixue Ju, Shinichi Sekine, Dawei Zhang, Songlin Zhuang, Yoshinori Yamaguchi, "All-in-one microfluidic device for on-site diagnosis of pathogens based on integrated continuous flow PCR and electrophoresis biochip", Lab on a Chip, 19:2663-2668 (2019) (Cover Article).

2. Zhenqing Li, Bo Yang, Shinichi Sekine, Dawei Zhang, Songlin Zhuang, Yoshinori Yamaguchi, "Alignment and Counting of Mitochondria based on Capillary Electrophoresis". Sensors & Actuators B: Chemical , 265:110-114 (2018).

3.Aya Hashimoto, Yoshinori Yamaguchi*, Liang-da Chiu, Chiaki Morimoto, Katsumasa Fujita, Masahide Takedachi, Satoshi Kawata, Shinya Murakami, Eiichi Tamiya, "Time-lapse Raman imaging of osteoblast differentiation", Scientific reports, Vol5, Article# 12529, (2015)

4.Zhenqing Li, Ronglin Yang, Q Wang, Dawei Zhang, Songlin Zhuang, Yoshinori Yamaguchi, " Electrophoresis of Periodontal Pathogens in Poly (ethyleneoxide) Solutions with Uncoated Capillary ", Analytical Biochemistry 471, 70-72 (2015) 

5.Zhenqing Li, De Li, Dawei Zhang, Yoshinori Yamaguchi, "Determination and quantification of Escherichia coli by capillary electrophoresis ", Analyst, 139, 6113-6117, (2014)

 


 | DNA/RNAの分析



参考文献 (Reference)

1. Yoshinori Yamaguchi, Zhenqing Li, Xifang Zhu, Chenchen Liu, Dawei Zhang, " Polyethylene Oxide (PEO) and Polyethylene Glycol (PEG) Polymer Sieving Matrix for RNA Capillary Electrophoresis ",PLoS One, 10(6):e0131265. Epub 2015 Jun 18 (2015) | doi:10.1371/journal.pone.0123406

2. Zhenqing Li, Chenchen Liu, Yi Ni, Jiaxuan Wang, Yoshinori Yamaguchi, “Electromigration behavior of nucleic acids in capillary electrophoresis under pulsed-field conditions”, Journal of Chromatography A, 1331, (28), 100-107 (2014)

3.Keiko Sumitomo, Yoshinori Yamaguchi*, Kuniaki Tatsuta, "High performance RNA separation by in-capillary denaturing polymer electrophoresis with 1,2,5-thiadiazole as an additive", Journal of Separation Science, 34, (29), 2901-2905 (2011), (2.63) 

4.Yoshinori Yamaguchi, Todor I. Todorov, Michael D. Morris and Ronald G. Larson “Distribution of single DNA molecule electrophoretic velocities in semi-dilute and dilute hydroxyethyl cellulose solutions”, Electrophoresis 25, 999-1006 (2004). 

 


 | キャピラリー電気泳動

 


キャピラリー電気泳動の原理はごく単純です。細いガラス管に電気の通る(導電性のある)溶媒を入れて、分析したいものを片側から導入して電圧をかけるだけです。電圧をかけることによって、サンプルは細いガラス管の中を流れ、その移動度が質量と電荷の違いで異なることから分析できます。つまり、電荷が質量に対して大きいものほど早くガラス管内を流れることになります。キャピラリー電気泳動の分析には大きな特徴があります。電気侵透流です。電気侵透流というのは、キャピラリー内部の壁面と溶液の間に発生する数10nmの厚さの電気二重層と呼ばれる界面によっておきるものです。電気二重層に電圧をかけると溶液全体が、壁面がマイナスを帯電していれば、陽極から陰極に流れます。電気侵透流によって、キャピラリー電気泳動では、外部からの高精度ポンプを必要とせずに分離分析を行うことが出来ます。言い換えれば、電気侵透流が高速液体クロマトグラフィーの高精度ポンプの役割を果たすといえます。

分析化学では「出来るだけたくさんの種類の物質を分離する」が一つの目的です。溶液サンプルの中に混合されている化合物の種類を出来るだけたくさん種類分出来るかと言うことが重要な課題です。そのどれくらいたくさんの種類の化合物を一度にの分離することふぁ出来るかの指標に「理論段長さ」と呼ばれるものがあります。例えば理論段長さが2倍の分析方法は、2倍の種類の化合物の分析を行うことが出来ます。つまり10倍なら10倍の数の化合物を一挙に分析できることになります。キャピラリー電気泳動の最大の理論段数は2,000,000ぐらいです。場合によっては10,000,000ぐらいのこともあります。一方、高速液体クロマトグラフィーの最大は10,000ぐらいです。これで、キャピラリー電気泳動がどれほど分離能力に優れているかを理解できます。特に、核酸の分析についてはキャピラリー電気泳動は高速クロマトグラフィーと比較して特に核酸の分析について、その優れた分離能力を発揮します。

 

 

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